父と娘の 「ほっこり小話」

娘を溺愛する新米お父さんの子育て奮闘日記です。くすっと笑えるような小話を提供できるよう目指しています。

個人的書籍所感 ⑤地球の未来のために、僕が決断したこと

みやひんです。今回の個人的書籍所感 ⑤でご紹介するのは、

 

ビル・ゲイツ  「地球の未来のために、僕が決断したこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言うまでもなく世界有数の実業家であるビル・ゲイツさんによる、地球温暖化問題に関する書籍ですね。

 

 

地球温暖化とか、SDGsとか、近年言葉は目にする機会がぐんと増えましたが、恥ずかしながらみやひん、この辺の実情をあんまり詳しく勉強したことがなかったのです。

その点、ビルゲイツさんは今はこうした社会問題に取り組まれているものの、元々は実業家ですし、環境問題のスペシャリストというわけではありませんから、素人と言ってしまうと失礼ですが、専門家が書いたものより一般の我々が理解しやすい本になっているのかな、と思います。

 

 

で、そう書いた矢先からいきなりこんなことを書くのもあれなのですが、ビルゲイツさん、もはや全く素人ではありません。おそらく下手な専門家などよりよっぽど詳しいのではないでしょうか。

 

この本を、最初の数ページ読むだけでもそれは分かると思います。

1ページ読むだけでもその中にいくつもの正確なデータや見解がかかれており、その全てに文献が引用されています。みやひんも理系だから分かりますが、大衆向けの一般書ではなく、専門の科学論文といってもよいレベルの体裁になっていると思います。

体裁というか、内容の正確性は専門書レベルだと思いますが、それでいて内容は語り口調で書かれていますし、なお一般向けとして書かれており、非常に理解しやすく書かれています。

 

 

現在のCO2排出量、そしてそれが続いた場合に地球の多くの場所で居住地が減り、自然災害が増え、飢饉が訪れ、多くの動植物のみならず人間も死亡していくであろうこと。

もちろんこのあたりのことも書かれているのですが、この辺りのことは比較的他の書籍でも強調されがちなところなのです。

 

この書籍ではそもそも一般人にとってCO2の量とかニュースでみてもイメージしづらいよ!というところを丁寧に説明していたり、実際に何によってどれくらいCO2が出ているのか、何をすればどれくらいそれが減らせるのか、というところにより重心をおいて、かなり詳細に書かれています。

 

例えば温室効果ガスの年間総排出量は510億トンですが、そのうち

 ものをつくる(セメント、鋼鉄、プラスチック) 31 %

   電気を使う    27 %

 ものを育てる(植物・動物) 19 %

 移動する 16 %

   暖房・冷房・冷蔵庫  7 %

 

の順で排出に寄与しているそうです。もちろん軽視してよいわけではないですが、一般的によく議論される車や飛行機による移動の寄与している割合は、イメージよりもだいぶ低いのですよね。

一方、意外と多いなと思うのは畜産業によるもので、世界中でおよそ10億頭の牛が牛肉と乳製品のために育てられており、その牛が1年間にするげっぷやおならで出すメタンには、二酸化炭素20億トン相当の温暖化効果があり、地球上の全排出量の4%にあたるのだそうです。現在、メタンを減らすワクチンなどを開発しているのだとか。

 

話は変わってしまいますが、環境だけではなく、動物愛護や健康問題、食糧需給問題の観点から見ても、現在の肉食(雑食)文化からヴィーガニズムへの緩やかな転換というのは、もはや望む・望まないにかかわらず必ず遠からず起きてくるものだと思っています。

 

ちなみに現代の世界では、5000ギガワット(ワット=1秒あたりに1ジュール)が必要なんだとか。(アメリカで1000ギガワット、東京の夏は23ギガワット、中規模都市で1ギガワット、平均的なアメリカの家庭で1キロワット)

電力需給というのは季節や日、時間によって変わってくるものなので、このようにワットで考える必要があるのですよね。

例えば今後風力発電などの、CO2の排出量の少ないよりクリーンな電力を推進していくと仮定して、これらクリーンエネルギーの多くは(例えば風のない日には電力がつくられない、など)変動のむらがおおきいのです。しかし、現在の技術では大量の電気を蓄えるというのには極めて困難で費用がかさむとされており、ここが問題になっています。

あるいは、たとえば鋼鉄をつくったり自動車を走らせたりという炭素を大量に排出するプロセスを電化していくというのは重要なアイデアではあるものの、そうすると電気供給量がさらに2倍3倍増やす必要がでてくるわけです。電気自動車にしたら全て解決するわけではないのですよね。

 

 

現在の客観的な状況、そして問題点、今後の展望や課題など、正確なデータに基づいてわかりやすく学ぶことのできる、とてもためになる本かなと思いました。

 

 

何より、世界有数の大金持ちのビルゲイツさんが、このような活動をしてくださっていることに、我々は感謝しなければならないと思うのです。

人生を何十回贅を尽くして過ごしても余りある財力があり、別にこんなことをする必要もなければ義務もないわけです。

当然、ただ贅を尽くして過ごしていたとしても、それを咎められる理屈も一つもありません。

 

それでもなお、専門家に匹敵するくらいの問題意識を持ち、実際にその財を投じて地球環境のために自らの労力を割いて活動をしているわけで、米国の大金持ちって比較的こういうボランティアとか社会活動に尽力される方が多いイメージではありますけど、その中でもやはりビルゲイツさんは別格なんだなと、改めて認識した次第です。